Windows クリエイターズ ファイル
e-Sports のプロを目指し、練習漬けの毎日を過ごす中学 1 年生。
小学 5 年生のときに出合った「本気で夢中になれるもの」それは e-Sports としてのゲームでした。
ゲームに熱中する毎日は、自作の Windows PC とともに始まり、Windows PC とともに終わります。
ボロ負けしてから、練習、練習の日々。
「朝、6 時くらいに起きたらすぐにパソコンをつけて、ゲームの練習をしています。それからご飯を食べて、学校に行って、帰ったらまた練習。ご飯と授業以外は大体ゲームをする。そういう感じです」
中学 1 年生の Astro-Nauts (アストロノーツ) さんは、ゲームの練習に明けくれる日々を送っている。中学校に通いながら、今プレイしている FPS (本人視点のゲーム) のシューティングゲーム以外には目もくれず打ち込む様は、野球部の少年が日夜素振りにいそしむ姿と何一つ変わらないのだと思い知らされます。
一方で、週末にはボルダリングジムに通って汗を流し、夜は自分で決めた時刻にベッドに向かいます。
「夜中まで起きてると健康に悪いかなと思って、普通に寝ますね」
質問一つひとつに対して飄々と言葉を返す様子も中学生らしい彼は、しかし e-Sports アスリートを本格的に目指す立派な“プロ候補”の一人なのです。
「ある時、強いプレイヤーにボロ負けしたんです。半泣きになって、あれもこれも自分には足りなかったって反省して、それからずっと練習、練習」
日々のプレイのなかで勝利を収められなかったときは、なぜ負けたのかを常に考え、鍛錬を繰り返す。ゲーミングチェアに埋もれるように座るからだは中学生のそれですが、心根の部分は間違いなくアスリートなのです。
やりたいことはたくさん。でも、今は集中したい。
「このゲームを知ったのは、仲のいい友だちと話していたときのことでした。ダウンロードして、やってみたらすぐにハマって。そのうち、楽しみたいというよりも、『誰よりも上手くなりたい』という気持ちがものすごく強くなったのを覚えています」
今プレイするゲームと出合った小学 5 年生のときのことを、そう振り返る Astro-Nauts さん。
「それで、Windows PC が欲しいという気持ちが高まったんです。上手い人はみんな Windows PC でプレイしていることを知って、Windows PC への憧れが強くなりました」
Astro-Nauts さんが小学生離れしていたことがあるとすれば、そのとき、自分の想いを両親に“プレゼン”するという手段を知っていたことでした。
「ぼくが Windows PC を手に入れたとしたら何ができるのか。ゲームのことだけでなく、Windows PC が将来どんなことに役立つのか、プレゼンしたんです」
そして、彼の両親もまた、普通と少し違っていたことがあるとすれば、それはそのとき、“Windows PC を自作する”という選択肢を我が子に与えたことでした。
「え、ほんとに自分で作れるの?」というのが、Astro-Nauts さんが最初に抱いた感動でした。「パソコン って、完成品を『買う』ものだと思っていました。実際にお店に行って、店員さんに相談しながら買った部品は、めっちゃ重かったけど、うれしくてそのまま父と電車で持って帰りました」
父親の手を借りながら、約 2 週間かけて組み上げた初めての Windows PC。それ以前に遊んでいたゲーム端末に比べればそのスペックははるかに高いもので、初めて触れたときには驚きの連続だったと、Astro-Nauts さんは言います。
今でこそ、目の前にはハイスペックなモニタやキーボード、マウスが並びますが、まるでアスリートが自分のからだの成長に合わせてダンベルの負荷を上げるように少しずつ揃えていったというエピソードからも、プロを目指す我が子に寄り添う両親の想いを感じます。
プレゼンのときは、Windows PC を手に入れた自分が将来やりたいこととして、「プログラミングを勉強して、ゲーム関係の仕事につく」という目標を挙げていた Astro-Nauts さん。
「プログラミングにも興味はあるんですけれど、今は学校とゲームの練習ばかりで (プログラミングは) できていません。今はとにかくゲームで結果を出したい。画像編集や動画づくりも楽しいですが、学校の授業でやっているので、今、この Windows PC で取り組むのは、ゲームをプレイするので十分かな」
初めて観た大会で「あのステージに立ちたい」と思った気持ちと、これまで負けて流した悔し涙に忠実に、毎日を過ごす Astro-Nauts さん。そこに家族の理解と支えがあるのはもちろんですが、本人の強い意志があることは、間違いありません。
自分の夢が大事だから、やるべきことがある。
Astro-Nauts さんが日夜向き合うモニタの先には、5 つのことばが大きく貼り出されています。それは、12 歳という年齢にして、これからの生き方を選択した彼に対して父親が示した“指針”です。
「仲間内で 1 番上手なのはあたり前 目指すは世界一」
「E スポーツの選手はそのゲームの POP アイコン 言動に責任を持て」
「ゲームだけできるヤツはお呼びでない 知識を身に付けろ」
「憧れの人になれるのか? 人格が大事」
「人より努力するのは当然 もう 1 つ工夫を」
それらのメッセージに応えるように、 Astro-Nauts さん自身も「“ただ楽しむ”って感じじゃない。ゲームを遊びだとは、考えていません」と自らの決意を声にします。
「自分の夢が、大事だから」。ふと真面目な顔でつぶやく Astro-Nauts さんにとって、日々のゲーム プレイは、e-Sports のプロになるための練習であるとともに、人生の勉強でもあるようです。
また、最近始めた動画配信サイトでのプレイ動画配信では、目の前の状況をわかりやすくに説明し、画面の向こうの顔の見えない何万の人に語りかけ、共感を生まなければなりません。
つまりそれは、自ら見てくれる人のことを想像しながら企画し台本を考えたり、プレゼン力や語彙力を増やすという、学校に通うだけではなかなか得られないスキルを身につけることにつながっているのです。
「高校生でアジア 1 位になって、大会を主催するような有名なプレイヤーになりたいというのが、今の夢です。」と言う Astro-Nauts さん。同時に、日本におけるゲームに対する認知を変えたいと思っています。
「子どもが本気でゲームをやりたいと言ったときに、応援してくれるような世の中になると、いいなと思っています。日本は、ゲームに対するイメージが悪すぎる、ゲームなんかしないで勉強するべきっていう声が大きすぎるんじゃないかなって思います。ぼくは両親に応援してもらっているので恵まれていると思いますが、ゲームも競技だということをできるだけ多くの人にわかってほしい」
子どもが心から夢中になれる何かを見つけたとき、それを理解して応援する社会であって欲しい。少年が上げた小さな声が、当たり前に受け入れられる未来は、そう遠くなく訪れるはずです。
Windows クリエイターズ ファイル
クリエイターズ ファイル 01: 中村早雪さん
クリエイターズ ファイル 03: calamity さん
クリエイターズ ファイル 04: 高橋あすかさん
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