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2023/09/14

IT インフラ / サービスのリーディングカンパニー NTT Ltd.、 Azure でグローバル共通のクラウド トランスフォーメーションを実現

IT インフラ / サービスのグローバル リーダーである NTTリミテッド (NTT Ltd.) は、ネットワーク、セキュリティ、マネージドサービスなどの分野で、多岐にわたる専門性の高いビジネス ノウハウを提供しており、フォーチュン誌が発表する「フォーチュン・グローバル 500 社」の上位 100 企業の実に 75 パーセント余りが同社のサービスを利用しています。「デジタル」の観点からいっても NTT Ltd. のスケールは圧倒的であり、多様かつしばしば複雑をきわめるデジタル環境の運用保守を数多く手掛け、50 か所以上あるデータセンターがホストするサーバーは 2 万 5,000 台余り、提供するアプリケーションは 2,200 種以上にものぼります。

NTT Ltd. は近年、先見性のあるクラウド ファーストの戦略を打ち出しており、同社はこれを会社の持続的な成長を担保するうえで不可欠な要件と見なしています。というのも、デジタル環境が複雑化した結果、リソース配分の効率が低下し、ガバナンスや財務統制のレベルで充分なビジビリティ (可視性) を確保することが難しくなったためです。しかし、これほどの規模のデジタル トランスフォーメーション (DX) を、いったいどのように進めていけばよいのかが課題となっていました。そこで NTT Ltd. はグローバル規模での DX 推進に向けて、実績があり信頼性の高い Microsoft と協力し、同社が提供するクラウド プラットフォームである クラウド コンピューティング サービス | Microsort Azure へ移行することにしました。

NTT

“Azure への移行において、アプリケーションやワークロードを最大 3 分の 1まで 廃止することで、業務の整理統合・集約を大きく進めました。こうした中央による一元的な運用モデルでは、もはや分散・分権型のサポートは不要となるため、運用コストも 3 割ほど抑えることができます。”

Pascal Weiss 氏, アジア太平洋地域 CIO, NTT Ltd.

グローバルなクラウド トランスフォーメーションに向けたテンプレートづくり

NTT Ltd. のプロジェクトチームと Microsoft が重視したのは、全社共通で標準化された一貫性のある Azure ベースのプラットフォームを導入展開していく設計とプロセスです。これほどの幅広さと複雑さをもつ資産のデジタル モダナイゼーションには、グローバル規模でどのようにプロジェクトを展開していくかについて、首尾一貫した拡張性のあるゲーム プランが求められるのはもちろんのこと、そのためのプレイブックづくりには、先例となるテスト ケースも必要です。NTT Ltd. にとって、このテスト ケースとなったのは、同社のアジア太平洋地域 (APAC) での取り組みです。特に、サポート期限の迫る設備を抱えたシンガポールにあるオンプレミスのデータセンターがその中心的役割を果たしました。

Azure チームの協力のもと、次のようなプロセスを固めました。まずデザイン フェーズが完了すると、次のディスカバリー フェーズにおいて、一つひとつのワークロードの見直しを行い、ビジネスのニーズを満たすのに必要なものかどうかを確認します。その結果、シンガポールでは既存のワークロードの約 25 パーセントが廃止され、残りはリホスティング手法を用いて移行されました。具体的な内容としては、残りのすべての Windows と Linux の仮想マシン (Virtual Machines: VM) やサーバー (約 1,500 ~ 2,000 台) を Azure に移行し、大半の VMware のワークロードは Azure VMware Solution に移行したことで、オンプレミスに残ったのはわずかな VMware のワークロードのみとなりました。こうしたデリバリー プラットフォームの刷新によって1 か月あたり 10 万ドル以上のコスト削減を達成するワークロード移行を実現しました。加えて、NTT Ltd. の試算によると、使用量ベースの Azure モデルに移行することで3 年間の総所有コスト (Total Cost of Ownership: TCO) を 100 万ドル削減することができるとしています。同社のアジア太平洋地域 CIO である Pascal Weiss 氏は、プロジェクトを全社規模で展開していくうえでの前段階として、APAC での移行プロジェクトは成功だったと考えています。「この数か月における経験を足場に、新たに得られたプレイブックを活用して、プロジェクトをさらに加速していく準備が整いました」(Weiss 氏)。一方、NTT Ltd. はビジネス クリティカルなクラウド サービスやホスティング サービスを提供しているため、この移行プロジェクト期間にクライアントをどのようにサポートしていくかについても充分に配慮する必要がありました。「Azure のおかげで、移行期間中の事業の継続性や信頼性を確保することができました」と同社のアジア太平洋地域 IT 情報システム部長である Richard Banfield 氏は語ります。

グローバル セキュリティ、事業継続、災害復旧の一元化

NTT Ltd. のデジタル トランスフォーメーションの主要目標として、セキュリティのモダナイゼーションと一元化を掲げています。Azure によるトランスフォーメーションは、セキュアな設計やゼロトラスト原則により、セキュリティ ポスチャを大きく向上させました。最新のクラウド セキュリティ ソリューションの迅速な導入や、グローバル セキュリティの中央による一元化を図るにあたり、Azure を活用することが必須だったと捉えられています。Banfield 氏は、「セキュリティ、とくにガバナンスや認証、データ主権にかかわるものであり、簡単なものではありません。APAC だけでも、われわれの管轄下で管理が必要な認証は 60 件以上ありました。Azure を用いることで、すべてのクラウド マイグレーションにおいて、こうした制約条件を問題なくクリアできたのはよかったです」と説明します。

NTT Ltd. は Microsoft 内だけでも、世界中に 1,500 件を超えるサブスクリプションの契約を保有しており、これらを整理、統合することは運用業務の飛躍的な効率化につながります。Weiss 氏は「テナントによって、セキュリティ コントロールやフレームワークはまちまちです。Azure への移行はセキュリティ体制の強化につながります。目指すのは、一つのグローバル テナントにつき、最低でも 200 種類のセキュリティ コントロールを設けられるようにすることです」と述べています。

今回の統合整理や効率化によって、事業継続・災害復旧 (business continuity and disaster recovery: BC/DR) においても大きく改善しました。Weiss 氏はこの点について「Azure に移行したことで、当社の全システム資産をひと目で体系的に把握することができるようになりました。障害が発生した場合でも以前のオンプレミスのインフラストラクチャより迅速に復旧できるようになっています」と話します。Azure BackupAzure Site Recovery を用いることで、コストをより低く抑えつつ、より高度な機能を利用できるようになったのです。Banfield 氏は「Azure のおかげで、当社の災害復旧能力も向上しました。以前は、クライアントの事業継続計画のなかで、コストも時間もかかることが課題で復旧プランの設計に苦労していたのですが、今回、Azure に移行したことで当社の BC / DR は従来よりもはるかに迅速かつ柔軟に実行できるようになりました」と説明します。

今回の移行で強化されるのは BC / DR だけにとどまりません。システム全体の健全性の把握・強化も Azure Monitor が導入されたことで可能になりました。Weiss 氏は、「ここで重要なポイントとなるのは、システム全体におけるオブザーバビリティ (可観測性) の向上を実現している点です。Azure Monitor は、インフラの正常性確認に加え、リソースを最適化してインフラコストを抑えるのにも役立っています」と説明します。

統合されたクラウド基盤が拓く未来 ―― 利便性、ケイパビリティ、企業価値のさらなる向上

Azure への移行によって、今後は、より少ないリソースでより多くの成果をあげることが可能になります。Banfield 氏は「移行前の環境では、新たなサービスを投入したい場合や新規のクライアントに環境を実装したい場合、必要なインフラ整備に何週間もかかっていました」と述べます。そして、「Azure に移行したことで、新サービスを市場に投入するまでに要する時間が飛躍的に短くなりました。新しいクライアントの環境より迅速に実装できることで短期間での収益化が可能となっています」と説明します。Weiss 氏は「もちろん、今回のコスト削減は、単にクラウドに移行したから実現したのではありません。Azure への移行において、アプリケーションやワークロードを最大 3 分の 1 まで 廃止することで、業務の整理統合・集約を大きく進めました。こうした中央による一元的な運用モデルでは、もはや分散・分権型のサポートは不要となるため、運用コストも 3 割ほど抑えることができます」と話します。

NTT Ltd. は Azure だけでなく Microsoft 365 のグローバル規模での活用や Microsoft Power Platform on Azure を利用するなど、Microsoft Cloud の包括的な導入を進めています。この点について、Weiss 氏は従業員に多大なメリットをもたらすと期待しています。「Microsoft Power Platform などのサービスを活用すれば、チームの能力を一段と高めていくことができます。たとえば、共通データ プールを利用して、Azure 上でダイレクトにデータ分析基盤を構築できるようになる。こうしたツールを積極的に活用すれば、私たちは競争相手に対して常に優位に立ち続けることができます」(Weiss 氏)。Banfield 氏も「NTT Ltd. は長年にわたって、ID 管理において Microsoft を採用してきました。そのため、Azure は条件的にも最適です。当社のサービス チームの多くはすでに Azure の認証を受けているため、トランスフォーメーションもより迅速に行うことができます」と説明します。

グローバル規模での Azure への移行は、NTT Ltd. に絶大な効果をもたらしました。移行を行う前は、世界各地のさまざまなエリアに、少なからぬ規模の見えないコストが隠れていました。「Azure に移行したことですべてを可視化できるため、今後はグローバルでの費用を最適化して管理できるようになります」(Banfield 氏)。NTT Ltd. にとって、このことはまさに、グローバル企業として各エリアにおいてビジョンを統一し共有すること、総所有コスト (TCO) を一元的に管理することとなると捉えています。Weiss 氏は「Azure のおかげで 500 万ドルものコスト節減が見込まれ、目標とする IT 運用コストの 3 割削減も達成できる見通しです」と明かしたうえで、次のように総括します。「クラウド プラットフォームである クラウド コンピューティング サービス | Microsort Azureへの移行は、組織を根底から変革する絶好の機会となるものです。これにより当社は、従業員にとってはより満足度が高く、クライアントにとってはより利便性が高く、そして、株主にとってはより価値の高い企業へと成長を遂げることができるでしょう」。

NTT Ltd. の詳細については、TwitterFacebookLinkedInでご覧いただけます。

“Azure に移行したことですべてを可視化できるため、今後はグローバルでの費用を最適化して管理できるようになります。”

Richard Banfield 氏, アジア太平洋地域 IT 情報システム部長, NTT Ltd.

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