大手コンビニチェーンなどに向けたプライベート ブランド商品の提案と開発も手掛けている日本ハム。その提案フェーズでは、生活者を深く知るための N1 分析※1が行われています。しかし営業部門でこの N1 分析を全て実施し提案書に落とし込むには、時間とコストが非常にかかるという課題がありました。このような課題を解決する手段として着目されたのが生成 AI です。より多くの生活者を対象にした分析を、より短時間かつ低コストで行うことを目指し、「GC (Generated-Customer) 分析」の開発がスタートします。
GC 分析とは、生成 AI による生活者の「擬似人格」がアンケート調査に回答する、というしくみです。生成 AI としては、既に全社向けに導入されていた Azure OpenAI Service を活用、UI アプリは Python によって内製し、クライアント PC で動かしています。疑似人格のベースとなる生活者データは、保有していた約 2 万人の生活者プロファイリングデータを活用。人に対するアンケート調査を精度良く再現するため、多様性を担保するためのパラメーター調整も行われています。
GC 分析を利用することで、1,000 人分のアンケート調査をわずか 45 分で実施することが可能になりました。また実施コストも 1 回あたり 100 円強と、きわめて安価になっています。これによって、顧客提案時の生活者調査と仮説構築の時間を大幅に短縮。顧客からも「客観的かつ説得性が高い」と評価され、商談成約率も向上しています。今後は、クライアント PC 上で稼働している GC 分析アプリの Web 化などを行うと共に、適用領域をバリューチェーン全体に拡大していくことが目指されています。
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